「礼拝」は、梵語で「ナマス・カーラ」と言います。「ナマス」は「南無」と音訳されて、敬拝・帰依・帰命を意味します。
 「ナマス・テー」(私はあなたを尊敬します)は、インドでは「おはよう」「こんにちわ」「さようなら」の時には、いつもこの「ナマス・テー」が使われています。挨拶としておたがいを尊敬して、美しい出会いを表しています。すばらしい伝わりと思います。
 観音霊場を巡拝されて、「南無観世音菩薩」と唱えられます。「観世音菩薩さまに帰依します」という意味です。
 日本庭園には「礼拝石」と呼ばれる定石があります。庭の前方、中央に平らな石で置かれています。
 当山本堂裏に古庭園があり、この庭にも定石として「礼拝石」が苔むした中に安置してあります。
 庭園は、大宇宙(大自然)を同化すべく表現されたものです。
 「山川草木悉皆成仏・悉有仏性」(草木も山川も、そのままが、真理(法)の知恵と慈悲のすがたでないものはない)ところの、自然の説法の中に、自己を投入することありました。
 「礼拝石」を「坐禅石」とも呼ぶこともあります。夜半、野外での坐禅に使われます。
 庭園に対する時、ナマス(南無)の心を保ち、端坐して観相されてみられたら如何でしょうか。


第十八番札所(山口県宇部市)
松江山 宗隣寺  住職 山中 天道