客殿に「緑紅」という書があります。これは「柳は緑、花は紅」自然の姿が一番よく柳も花もそれぞれの特徴を活かしながらつくろうことなく、真剣に生きていく姿こそが美しくもあり尊くもあるという意味であります。
 樹木には、杉のような背の高い木があり、沈丁花のような低い木もあります。大部分は独立自活していますが、中には蔦のように他の樹木にとりついて、生きているものもあります。人間も樹木と同様にその生き方はさまざまで、大らかな人もいるし、いつもいらいらしている人もいます。勢いよくとびまわる人もいれば、いつも力なく寂しげな人もいます。しかし皆がそうであるように、私たちもそれぞれが精一杯素直に生きている人でありたいものです。
 そして、精一杯素直に真剣に生かさせていただくことが、御仏の教えにめぐりあいその教えを実践することであり、真のしあわせな人生をおくられている人の姿であろうと思います。       合 掌


第三番札所(岡山県備前市)
日光山 千手院 正楽寺  住職 福田寺 全亘