今、国民的課題として教育改革が叫ばれています。教育議論が白熱している中で、家庭での教育『躾』の重要性が指摘されています。
 では、今すぐにでも家庭で出来ることは何でしょうか?挨拶やお手伝いなど色々あると思いますが、身近にあって意外とその本来の大切さを忘れているものがあります。
 その一つが先祖供養です。日本の祖霊祭祠は仏教と儒教のそれぞれ良い所が結びついてできた、すばらしい精神文化です。世帯主を中心に家族全員で祖霊をお祠りする行為を通じて、感謝と報恩の気持ちを育くみ、また家族の絆を深める事ができるのです。
 亡き人々のみ魂をお慰めする事は無論ですが、生かされているいのちに感謝し、幾世代にわたって過去から未来へと受け継いでゆくいのちであって、決して自分の所有物ではない事などを体験的に悟る大切な機会でもあります。
 もう一つが食前・後の祈りです。仏教では五観の偈を中心にした食事作法を行い、食事を頂くに値する善行をしているかどうかの反省にはじまり、妙薬として食事を摂り、自らの人格の向上と、世の為人の為に尽す事を誓い、感謝と報恩の心で食事を頂きます。
 家庭においては、せめて「頂きます」と「ごちそうさま」を手を合わせて、家族みんなで実行したいものです。
                           合 掌


第九番札所(広島県尾道市)
転法輪山 浄土寺  住職 小林 暢善