私が大雲院の住職を拝命させていただいて十六年になります。
 その当時は、中国観音霊場も創設されて日が浅く、檀家寺でも観音寺院でもない大雲院は、寺院収入で生活する事も不可能に近い状態で、その上、私たち家族が生活するには手狭な庫裏でした。そんな中、いままでの蓄えをはたいて庫裏の増改築を致しまして、無一文から出発を致しました。
 それから、日々仏様にお仕えしていますと、なんとか飢え死にしない程度の生活をさせていただけ、有難く感謝し、参拝者の皆様に喜んでお参りいただける寺にと願っておりました。
 それから、日々仏様にお仕えしていますと、なんとか飢え死にしない程度の生活をさせていただけ、有難く感謝し、参拝者の皆様に喜んでお参りいただける寺にと願っておりました。
 昭和六十三年になると本堂の屋根の傷みが激しく、至急に屋根の葺き替えを致さなければならず、そのためには境内に工事車両が出入りしやすいように境内の植木等の移植など境内整備も必要となりました。さらに、この機会に西国三十三観音様を一体ずつ拝めるように堂内の改造も含めた工事を計画しました。工事の見積もりはできますが、収入のめどの立たないまま、五年返済を目標に借金を致し工事を完了致しました。ご参詣の皆様をはじめ多くの方々の御浄財の寄進によって五年をまたず返済を完了させていただきました。平成八年には、道路側に在った物が買い戻せると、また借金を致しましたが、今では道路から一望でき、大型バスもゆったり駐車できるようになりました。不可能と思われることも観音様のおかげで実現させていただいております。
 南無大慈大悲観世音菩薩 合掌

第三十三番札所 大雲院 住職 田 尻 光 照