昨年の大晦日に除夜の鐘を撞きにお参りしました。除夜の鐘を撞いて本堂にお参りすると、住職様のありがたいお経と共に木魚の心地よい音が聞こえてきました。お寺には鐘や木魚など音を出すものが沢山あるようですが、これには一体どんな意味があるのでしょうか?
                    (広島県 30歳 主婦)  

 確かに寺院内には音を出す仏具が数多くあります。大晦日に撞く梵鐘にはじまり、半鐘や魚鼓、雲版、太鼓、木魚などがあり、また各宗派によって独特の鳴りものを数多く見ることが出来ます。
 その中でも皆さんよくご存知の梵鐘から申しますと、一般的に知られているのが時刻を知らせる役割です。昔は寺院内の僧侶ばかりではなく、広く人々に時間を知らせることにも役立っていました。また、お寺へお参りする際に梵鐘を撞くことで、仏さまに「今からお参りします」という合図として使われることもあるようです。
 さらに、半鐘や魚鼓、雲版などは、寺院内で生活をする僧侶や修行僧たちに修行や食事などの時間を知らせるためには欠かせないものであります。
 そして、読経の際に用いられる鳴りものとしては太鼓、または木魚が思い出されますが、これは我々僧侶にとって大切なお経の拍子をとるという役割があります。ところでどうして「魚」なのかとなのかと申しますと、魚は昼夜を問わず、常に目を開いていることから、これを叩くことにより人々を目覚めさせ、迷いをなくし本心に立ち返らせるためだとも言われております。ですから、くれぐれも木魚のポクポクという心地よいリズムに眠気を誘われないようお願いしたいものです。



回答者/第十番札所 千光寺 副住職 多田信祥