安心anjin法話~観音さまからのメッセージ~
2025年05月16日
観音様は心のメンター
最近、メンターという言葉をTVで知りました。メンターというのは例えば、野球少年が練習をしてつらい時、迷った時には大谷翔平選手ならどうするか・・・。と大谷選手の行動を真似ることですね。
憧れや目標の存在を胸の真ん中に据え置くことで、自分の行動の規範にすることがメンターです。
さて、ここでお話したいのが、瑩山禅師と観音様のお話です。
瑩山禅師の両親は観音様に願掛けをして、当時としては遅い37歳で瑩山禅師を授かります。その為、瑩山禅師は「あなたは観音様の申し子です。観音様のように優しい心で生きなさい」と、常々言われて育ったそうです。
月日は流れ、瑩山禅師は出家し、修行を重ね、今度は弟子を指導する立場になりました。ある日、指導中に隠れて寝ている修行僧を見つけました。瑩山禅師は怒りが沸き上がり、喝を入れようと棒を振り上げました。その瞬間、瑩山禅師の心に母の声が蘇ります。
「いかに自分が正しくとも、怒ってはいけません。あなたは観音様の申し子です。観音様のよいうに慈悲の心で導きなさい」
これにハッとした瑩山禅師は、自分の短気を深く反省したそうです。瑩山禅師は観音様をメンターにされていたのですね。
私たちも、心に仏様や観音様をメンターとして心の真ん中に据え置き、慈悲の心を忘れず心を豊かに生きていけたらと思います。
「うれしさは 何にたとへん 今朝もまた 生かされてある われをみつめて」
合掌
中国観音霊場第五番札所 法界院